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From Editor/住まいを楽しむ

2020/07/16

 数カ月の巣ごもり生活から解放されたものの、私たちの暮らしはこれまでと大きく変化しています。大手企業や外資系企業はテレワークを継続しているところが多いようで、取材先の住宅のオーナーもいまだテレワークをしている人が目立ちます。人々の働き方が変わることにより住まいで過ごす時間が増え、おのずと住まいに目が向くようになったのは良いことですが、それではどうすれば “楽しい住まい”になるのでしょうか。
 今後、住まいがさらに人々の暮らしの中心になるとすれば、その在り方は変わっていくでしょう。画一的とも言えるワンルームのLDKではなく、家族が集う場であり、互いの気配を感じながらも思い思いの居場所がもてるリビングや、家族のコミュニケーションの場であるダイニングキッチンを住まいの中心に据えるなど、自分たちのライフスタイルに沿うプランニングにすることが大切です。そして、これからは仕事ができる場所も必要に。
 また、仕事の在り方が変われば、住まう場所の選択肢も広がります。毎日、会社への出勤がなければ、都心から周囲が緑に恵まれた環境の良い郊外へ移り住むことも可能でしょう。もしこのまま都心に住むとしても、ゆったりとくつろげるもう一つの住まいを郊外にもつことを考えるかもしれません。たとえば、景色の良い郊外の住まいなら、心地良い風が吹き抜けるテラスに素敵なテーブルを置いて気に入りのカップでお茶を飲む。それがかなわない都心の小さな庭なら、趣向を凝らして子どもたちとキャンプをするのも良いかもしれません。住まいで過ごす時間が長い分、これまで考えもしなかったことを暮らしに取り入れ自分なりの価値を加える。そのようにして、 “巣ごもり”ではなく、“住まいを楽しむ”とポジティブに考えましょう。私たちは“これからの住まい”を提案していきます。

Elisa SUMITA, Editorial Director