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【新刊】From Editor/住み手の個性を映し出す場所

2021/01/13

2020年は“STAY HOME”により住まいで過ごす時間が増え、より一層楽しく快適に暮らしたいと、誰もが思っていることでしょう。今号の企画は「ウォールデコレーション」。賃貸に住んでいる人も手軽にでき、リノベーションや新築を計画している人にはその楽しさを知って設計に生かしてほしいからです。仕事柄、多くの住まいを見ていますが、そのほとんどには何も飾られておらず、住み手の好みはすぐに分かりません。なかには食器などを集めている人もいますが、機能があるものは大抵棚にしまわれています。これまでの忙しい暮らしにおいて、住まいは食事をし、風呂に入り、寝る場所として機能的で清潔に保たれていれば良く、週末はどこかへ出掛けたいと考えていたのかもしれません。本来、住まいはその人となりを最も表す場であり、何より住み手が好きなものに囲まれて暮らす場所。飾るものはアートやオブジェだけでなく、趣味のものや、旅先で購入したもの、家族の写真であっても良いのです。
海外の人からは“ラビットハウス”と呼ばれる日本の住まいですが、広さはなくても楽しむ方法はあります。床にところ狭しと家具が置いてあっても、壁は必ずどこかが空いているはず。私がインテリアコーディネートに目覚めたのは、まさにトイレのウォールデコレーションで、初心者が手軽に始められる空間の一つ。トイレは狭く壁に囲まれているため意外と簡単で、壁ごとにテーマも変えられます。フレームやミラーを交ぜてたくさん飾ったり、大きなものを一つかけたりして、我が家はヨーロッパ、ニューヨーク、ハワイをテーマに。家具の少ないエントランスと廊下では、壁を塗り、壁紙を貼り、最初はフレームのほかカナダの土産物店で購入した壁掛けの鹿のぬいぐるみを飾っていましたが、今は本物の鹿の角に。Stephanie Quayleの猿のオブジェも加わり、毎日玄関先で顔を合わせています。好きなものに囲まれて暮らす、これからは住まいが一番楽しい場であり、遊び場の一つになってほしいと願っています。

December, 18, 2020
Elisa SUMITA, Editorial Director