
家でも仕事場でもない、サードプレイス(第三の場所)で過ごす時間は暮らしに安らぎをもたらし、時に刺激を与えてくれます。そんな場所の選択肢として、セカンドハウスやホテルを考えてみてはどうでしょう。形態は異なるものの、日常の延長線上、もしくは日常を超えた非日常のなかで、私たちに特別な体験を与えてくれるはずです。
働き方が多様になった今、「どこで暮らすか」という問いの答えには変化が生まれています。休暇を過ごすための“別荘”だけでなく、日常的に複数の拠点を行き来して生活する人も増えました。ここでは、海や山を望む豊かな環境に建てた4軒の住まいから、複数の拠点をもつオーナーの暮らし方とそれに寄り添う設計手法を学びます。
世界的な建築家やデザイナーが手掛けるホテルは、単なる宿泊施設ではなく、その土地の歴史や文化、風土を映し出す舞台といえます。細部にまでデザインの思想が息づく空間は、都市の魅力を新たな視点で伝え、訪れる人の感性を刺激します。非日常の高揚と心地良い安らぎ。旅の目的にしたいのは、そんなホテルで過ごす特別な体験です。

ホテルは旅の目的地になるほど、旅そのものに彩りを添える存在。建築の美しさや絶景との出合いなど魅力的な要素にあふれ、その選び方や過ごし方は多種多様です。ここではデザインに携わるクリエイター13人が、心に残ったホテルを滞在時のエピソードと共に紹介。彼らの視点から、ホテルでの体験をより豊かにするヒントを得ましょう。

「訪れた旅人が、集落の文化や自然に触れる拠点をつくりたい」。その思いから沖縄・百名に生まれたホテル、mui たびと風のうつわは、大きな屋根の下に客室が家々のように点在します。間に生まれた余白は共用部となり、囲炉裏を中心に人が集う広場に。集落の延長のように構成された風の流れる空間が、旅の思い出の風景となります。

運河を船が行き交う、タイ・バンコクのノイ地区。2022年にオープンしたSiri Sala(シリ サラ)は、築100年の木造家屋を慎重に解体し、その木材や建具などを活用して生まれたプライベートヴィラです。歴史を引き継いだ趣ある建築と熱帯の植物、水景が、ここでしか味わえない時間を演出してくれます。

多くの住まいを設計してきた建築家たちは、自身の第二の拠点に何を求めるのでしょうか。必要なものを見極め、日本家屋の在り方を追求した空間。住宅・仕事場・地域拠点といった既存の枠組みを越え、その関係性を捉え直しながら、暮らし方そのものを再構築する試み。建築家の価値観と理想が色濃く表れた、二つの拠点を紹介します。
特集/Milan Design Week 2026 ミラノで探るインテリアデザインの行方
2026年4月に開催されたイタリア・ミラノデザインウィーク。街全体がデザイン一色に染まるイベントです。その中核となるミラノサローネでは、ブランドが提案する工業製品としての新作家具のほか、手仕事や一点ものといった希少性に光を当てたキュレーション型展示「Salone Raritas」が登場。デザインを文化として発信するという新たな方向性を示しました。本特集では、インテリアの“今”を読み解きます。







