Color. Texture. Character. インテリアを決める色と素材
Living with Texture 美しい色、心地良い手触りと暮らす
インテリアの色や素材は、住まいの雰囲気やテーストを決めるもの。そこに住み手の嗜好や敷地環境の特性を反映することができれば、よりオリジナリティーのある空間がかなうことでしょう。今回は、木や石といった自然素材のほかファブリックや壁紙などをうまく取り入れ、色と素材の魅力を引き出した5軒の住宅を紹介します。
明るい色は気持ちを晴れやかに、シックな色は心を静めるといったように、私たちが色から受ける影響は思いのほか大きいものです。インテリアにおいて色を楽しむということは鮮やかな色を使うだけでなく、質感を含めてコーディネートすること。シンプルなワントーンのインテリアも、素材選びが要となります。多彩な実例をもとに、色と素材の選び方を考えます。
素材がもつ魅力を引き出し、建築とインテリアが融合した空間を生み出す建築家、Vincent Van Duysen(ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン)。2025年、イタリア・Molteni&C(モルテーニ&チー)の旗艦店を東京・南青山に設計しました。邸宅をイメージしたその空間で、彼の美学に触れます。
インテリアのテーストを決める際にベースとなる内装材選び。ここでは、豊かな質感や多彩な色をもつ内装材を五つのカテゴリーに分けて紹介します。見た目の美しさはもちろん、空間の用途やそこに合う性質を考慮しメリットとデメリットを整理したうえで、内装材の選び方を考えます。
建築家が設計した都心の集合住宅に、室内外を緩やかにつなぎ、有機的なオブジェを取り入れ、洗練された空間を実現した川本邸。賃貸住宅でありながら、建築家と住み手の理想的なコラボレーションが結実した住まいを訪ねました。
同色でまとめたコーディネートは、シンプルなインテリアがかないます。しかし、組み合わせによっては単調で奥行きに欠けることも。ワンカラーの良さを生かしつつ、上質で表情豊かな空間をつくるためにはどのようなメソッドがあるのでしょうか。ここでは色と質感に着目し、イタリア・ミラノにあるMERIDIANI HOUSEからそのヒントを探りたいと思います。
250年を超える歴史と高度な技を誇る木彫刻の里、富山・井波。この地を拠点とする建築家の山川智嗣さん・さつきさん夫妻は、築40年を数える中古住宅を自邸としてリノベーションし、質感豊かな素材で新しい表情を与えると共に快適な温熱環境を追求しました。地域の職人の手仕事が随所で魅力を放ち、触れる喜びに満ちた住まいです。
世界中のデザインファンが心躍らせるミラノデザインウィーク。今年の主役は、ラウンジチェアやモジュールソファといったリラックス感を備える家具。ボルドー、グリーン、アンバーのヴィンテージムード漂う色彩と、ガラスやステンレスなどの工業的な素材の組み合わせが空間に深みと洗練さを添えていました。現地の空気感を交え、インテリアの最新トレンドを紹介します。
木工芸品を製造する工房として、1942年にイタリア・ブリアンツァ地方で創業したPoliform(ポリフォーム)。システム収納やキッチン、家具に加えて、近年では扉材や壁面材など建築の要素を追加することでトータルコーディネートが可能に。“豊かさの本質”を、家具単体ではなく空間から提案するブランドの哲学が具現化し始めました。
1912年の創業以来、伝統と職人技を受け継ぎ、イタリア家具の老舗として名を馳せるPoltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)。現在は家具にとどまらず、ライフスタイル全体を提案するブランドへと進化を遂げています。2025年4月に発表した新作コレクションでは表情豊かな素材を用い、洗練されたプロダクトの数々を披露しました。