【新刊】Toshiyuki Kita: DESIGN BEYOND BORDERS 日本の感性を世界へ。喜多俊之のデザイン
2026/06/18
1960年代、日本のデザイナーが海外で活動する例はまだ多くありませんでした。そうした時代にイタリア・ミラノへ渡り、国際的な舞台で存在感を放ったのが、喜多俊之。幅広い分野で独創的なプロダクトを生み出し、日本のデザインの可能性を世界に示しました。異文化の只中で活動しながらも、彼の発想の源にあったのは日本の暮らしの感覚でした。
写真上/WINK / Cassina
イタリア・Cassinaのラウンジチェア。足を伸ばして寝転ぶことも、折り曲げて腰掛けることもできる。ヘッドレストも左右に可動。別売りのカバーにより着せ替えが可能で、空間や気分に応じて表情を変える。一見奇抜なこのソファは、畳の上で自由に過ごす日本の生活文化から着想を得たものだ。1980年発表/カッシーナ・イクスシー青山本店
SARUYAMA Island / Moroso
1989年に発表したイタリア・Morosoのソファ。「座る、寝転ぶ、よじ登る。人間が潜在的に備える本能や遊び心を造形へと置き換えたとき、その形は『猿山』へと帰着した」と喜多。ソファを壁に寄せるのではなく、空間の中央に据えるという発想においても当時、画期的だった。2006年には、一人掛け用のソファやコーヒーテーブルなどが加わった「Island」シリーズとして進化した/エーディーワールド販売
佐賀・有田焼の窯元で製造された食器のシリーズ「HANA」。円が連なるフォルムは、有田焼に伝統的に見られる形を踏襲したもの。隣接するレストランで使用されている
気軽に立ち寄れるショップやカフェを始め、ギャラリーやライブラリーを併設した一棟貸しの宿泊施設、GALLERY KITA'S。喜多が城下町の風情が残る街並みに引かれ、兵庫・丹波篠山の地を選んだ。1階のショップで展示・販売されているプロダクトは、すべて喜多のデザインによるもの。食器や調理道具をメーンに、暮らしを彩るアイテムが並ぶ
〈プロフィール〉
喜多俊之 Toshiyuki Kita
デザイナー。1942年・大阪府生まれ。'64年・浪速短期大学(現・大阪芸術大学短期大学部)工業デザイン科を卒業後、アルミメーカーに入社。'69年・イタリアに渡る。以後、イタリアと日本を拠点に活動。家具、日用品、家電、ロボットなど、多岐にわたる分野で数多くのプロダクトを生み出す。作品の多くがニューヨーク近代美術館を始め、世界各地のミュージアムに永久所蔵されている。2010年、兵庫・丹波篠山に町家を改装したギャラリーをオープン。'26年・同ギャラリーリニューアルオープン。
〈問い合わせ〉
GALLERY KITA'S
兵庫県丹波篠山市二階町9-1
TEL.079-506-0229
URL:https://www.kitas-gallery.com
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