【新刊】6 Exceptional Hotels from Around the World 特別な体験を、特別なホテルで
2026/07/21
世界的な建築家やデザイナーが手掛けるホテルは、単なる宿泊施設ではなく、その土地の歴史や文化、風土を映し出す舞台といえます。細部にまでデザインの思想が息づく空間は、都市の魅力を新たな視点で伝え、訪れる人の感性を刺激します。非日常の高揚と心地良い安らぎ。旅の目的にしたいのは、そんなホテルで過ごす特別な体験です。
写真上/BVLGARI HOTEL ROMA
古代ローマの面影を色濃く残すイタリア、カンポ・マルツィオ地区に立つホテルは、ローマ生まれのジュエラー、Bvlgariの哲学を空間として体現する場所。1930年代の柱廊式の建築を舞台に、ACPV ARCHITECTS Antonio Citterio Patricia Vielが古代ローマへの敬意を込めて全114室のホテルへと再生した。館内には多彩な大理石を始めとする上質な素材と、MaxaltoやFlosなどイタリアを代表するインテリアブランドの名作家具が調和する。市街を一望するルーフトップには200を超える樹木が配され、古代の邸宅庭園を思わせる豊かな景観を創出。優れたデザインと卓越した職人技が結実し、真のラグジュアリーを生み出している。
Rosewood Amsterdam
オランダ・アムステルダムの運河沿いに立つ、かつての司法宮殿を再生したランドマーク的ホテル。Studio Piet Boonがデザインを手掛け、10年にわたる修復により歴史的建築がもつ重厚な趣と現代的な洗練を見事に融合させた。客室の一部には邸宅さながらのキッチン付きシグネチャーハウスを備える。1000点を超えるアート作品が随所に配され、Studio MolenやFrank Stellaらの作品がインテリアと響き合い、豊かな空間体験を生み出している。運河クルーズやバーでのミクソロジー体験、Piet Oudolfが手掛けたホテルの庭園散策などアクティビティーも豊富。この街ならではの文化や創造性に触れながら、暮らすように過ごせる宿だ。
Dorothea Hotel, Budapest, Autograph Collection
ハンガリー・ブダペスト中心部に誕生したホテルは、19世紀にこの街の発展に貢献したマリア・ドロテア大公妃の名を冠する。ネオ・ルネサンス建築、アール・ヌーヴォー建築、モダニズム建築という時代の異なる3棟の歴史的建造物を融合し、Piero Lissoniが新たな命を吹き込んだ。最上階には街を望むフロアを新たに設け、三つの中庭はガラス屋根の庭園を備えた一つの空間へと再構成。また、伝統的な刺繍を施したテキスタイルや特注タイルで、土地の工芸文化を現代的に表現する。客室は歴史的意匠を再解釈したヘリテージルームから、ジャグジーを備えたスイートまで多彩だ。
The Manner
「感度の高い友人の邸宅」をコンセプトにしたニューヨーク・ソーホーのホテル。インテリアはHannes Peerが手掛け、彼の出身国であるイタリアのミッドセンチュリーとニューヨークの洗練を融合させた。テラコッタや大理石、真鍮、木など異なる素材が重なり合うロビーは、居住空間のような親密さ。客室には艶やかな黄色の壁を用いて、色彩そのものを主役に据えた。特注家具やファブリックなどが温もりを添え、華美な装飾に頼らずプロダクト自体の美しさで豊かさを表現している。全室にテレビは置かず、本や音楽、フード・ドリンクを楽しむ時間を提案。活気あふれる街の中心で隠れ家のような特別感を与えてくれる。
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