夕暮れから夜の時間を演出する照明。家族と談笑したり、一人で読書をしたりと、シーンに寄り添いながら、空間を美しく見せる明かりを計画したいもの。今回は、空間や周辺環境、さらに暮らし方に合わせて照明を計画した4軒の住まいを紹介。照明の明かりによって雰囲気を変える建築の姿にも注目します。
夕暮れと共に灯り始める、照明の明かり。柔らかな明かりは心身に安らぎを与え、豊かな夜の時間へと誘います。今回は、住まいを彩る意匠性の高い照明を中心に、くつろぎのスペースの照明計画を始め、照明器具や照明デザイナーなどを紹介。自分に合った照明を見つけ、美しい住まいをかなえましょう。
意匠照明を取り入れる。基本から応用まで
美しいデザインで空間を引き立てる、ペンダントライトやフロアランプ……。これら意匠照明を選ぶ際は、気に入ったデザインというだけでなく、明かりの質にも注目したい。器具の特徴や組み合わせ方から、心地良い光環境を考えます。
意匠照明は、消灯時もデザインを楽しめインテリアの一部として住み手の個性を表現することも。近年は庭やテラスで過ごす時間が増え、屋外用の意匠照明もデザインの幅が広がっています。過ごし方や光の広がり方を踏まえながら、好みの照明を見つけましょう。
住まいには、季節や時間の移り変わりを教えてくれる自然の光や、心を安らかにしてくれる照明の明かりが欠かせないと考える建築家の八島正年さんと夕子さん。二人が設計する住まいには、決して主張することなく、住み手にそっと寄り添う明かりが存在します。二人は光と明かり、暮らしの関係をどのように捉えているのでしょうか。その思いを聞きました。
照明計画は単に明るい・暗いということだけでは、居心地の良し悪しを決められないところに、面白さと難しさがあります。過ごしやすい光環境を整えるためにも、住まいの基本設計の段階から照明デザイナーに依頼して、理想の空間を実現したいもの。今回は照明デザイナーのほか、インハウスプランナーをもつ設備照明メーカーを紹介します。
2009年にスタートした日本生まれの照明ブランド、Ambientec。水中撮影機材の開発・製造で培った優れた技術力に加え、デザイナーとのコラボレーションによって、暮らしと共に長く愛されるポータブル照明を提案し続けています。インターナショナルブランドとして世界をフィールドに展開する、Ambientecの心地良い“灯り”に注目しました。
4月のミラノサローネ(国際家具見本市)と共に、照明にフォーカスするエウロルーチェ(国際照明見本市)が開催された2023年。デザインはシンプルでありながら、テクノロジーとの融合で次世代の照明を想起させる発信が特徴的でした。見本市で発表されたブランドの傾向と新作を紹介します。
ライフスタイルや働き方が多様化するなかで、住まいの在り方はこれまでの枠を超え、より自由になってきています。また、プランニングやインテリアなどデザイン面だけでなく、住み手が真に心地良いと感じられる環境で“自分らしさ”を体現する人も増えています。今回は、自然に近い場所に暮らしの一部を移したオーナーの住まいを紹介します。
サステナブルという言葉がまだ日本に浸透していない約40年前、人と自然の調和を目指してイタリアで生まれたキッチンがあります。環境への配慮を徹底し、人間工学と芸術性を重んじながら、革新的な技術を取り入れたValcucine(バルクッチーネ)のキッチンは、驚くほどに美しく仕上げられています。その背景を探るべくポルデノーネの本社を訪れました。
京都の中心地から離れ、風情が残る修学院エリアに2023年5月、私設図書室、鈍考 donkouと喫茶 芳がオープンしました。「読書のための、時間の流れが遅い場所」をコンセプトにした空間では、本とコーヒーを楽しみながら、静かな時間に浸ることができます。開設に至った経緯や設計意図について、オーナーでブックディレクターの幅 允孝さんと設計者の堀部安嗣さんに話を聞きました。