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From Editor/ファブリックの魅力

2016/08/24

 ワンランク上の上質なインテリアをつくるうえで欠かせないのが、ファブリック。そのコーディネートの楽しさを知ったきっかけは、既製品を組み合わ せた簡単なベッドコーディネートでした。すでに持っているベッドやソファなどの家具に合わせて既製品のクッションを置いたり、カバーを掛けて手軽にコー ディネートできるのがファブリックの魅力です。さらに、ファブリックは半完成品であるため、組み合わせや仕立て方を自分で考えて特注することも可能です。 たとえば、ファブリックメーカー「PIERRE FREY」オーナーのパリのアパルトマン(写真)のように、カーテンから、ラグに至るまでトータルでコーディネートできるほか、裏打ちして壁紙にしたり、 綿を入れて緞子張りにするなど、部屋全体をファブリックでデザインできます。

そんな身近な存在ですが、これまでどのようにつくられているのかは考えたことがありませんでした。家具と同様に、それぞれのメーカーがデザインし、 自社工場や提携工場と共に生地をつくっていると思っていたからです。ところが最近気になるのが「エディター」という言葉。仕事柄、つい書籍や雑誌の編集と 思ってしまいがちですが、テキスタイルと壁紙の分野においての「エディター」とは、高級商材のコレクションをシーズン毎に発表する「ブランド」のこと。彼 らは世界中にある工場がそれぞれ得意とする技術を知っていて、プロジェクトに合う工場と組んで新作を開発。そのスケールの大きさに、これまで以上にファブ リックへの興味が深まりました。現在、ナショナルインテリアのショールーム(東京・六本木)の一部を、ファブリックでトータルコーディネートするプロジェ クトを進めています。9月16日に完成するので、ぜひ、そこでファブリックの魅力を実感していただけたら嬉しく思います。


Elisa SUMITA, Editorial Director