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From Editor/マンションリノベーション

2018/07/11

マンション内の住戸をフルリノベーションする際に、多くの人が設計から竣工までを短期間で考えていますが、実際は思いのほか時間がかかります。専有部の与条件に合わせてプランしなければならないうえ、解体しないと分からない部分もあるからです。先日、I'm home.で受けたリノベーションプロジェクトが竣工。当初、クライアントから2カ月程度でできますか? と尋ねられましたが、結局、竣工まで8カ月近くかかりました。クライアントはリノベーション済みの住戸を購入したものの、機能や仕様が気に入らずほぼフルリノベーションすることに。その一番の要望がゆったりとしたホテルのようなバスルームでした。既存のユニットバスを壊して設備の問題を解決するにはかなりの時間を要しましたが、ランドリー機能や掃除用具入れを収納した広々としたバスルームが完成。そこで、日々2~3時間を過ごしているのだとか。
打ち合わせの際に、細かな要望と共に美しいインテリアや収納のイメージ写真が収められたファイルを数冊もらいました。近年は、Pinterestなど興味のある画像を無料でコレクションできるツールを利用している人が増えているようで、クライアントもそれを利用していたのです。海外の事例が多く、日本では実現が困難なものもありますが、インテリアのテーストなのか、家具なのかなど、必ずその写真を選んだ理由を聞くようにしています。これまでは縁遠いと感じていた海外のデザインが手軽にスマホで見られ、急速に身近なものになりつつあるのでしょう。たくさんの事例を見ているうちに、ステキなインテリアをかなえたいと思う人が増えて、さらに個性的な住まいが誕生することを、密かに期待しています。

 Elisa SUMITA, Editorial Director