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【新刊】From Editor/足し引きを考えられるリノベーション

2019/07/10

梅雨を逃れて季節の良いイタリアへ取材に来ています。ヨーロッパは古い建物が多く、リノベーションも当たり前。時には住みながら工事をする場合もあるので、どのようにしたらさらに快適に暮らせるかを具体的にイメージすることができるでしょう。新築同様、リノベーションにおいても、造作収納と置き家具、見せるものと見せないものの組み合わせ方が大切です。
扉を付けて中を見せない造作収納ばかりにすると住まい全体がクローゼットのような空間に。もし写真のように透明感のある面材を選べば収納も美しいショーケースへと変わります。昨日訪れた、イタリアの高級家具メーカー、CECCOTTI COLLEZIONIのCEO宅は、18世紀に建てられた建物をリノベーションして、シンプルでミニマルな収納を造作し、そこに美しい曲線を描く自社のイスやキャビネットを配置。見せるものと見せないものを分けるだけでなく、モダンとクラシカルなデザインを調和させた上質な住まいでした。
これまで賃貸、分譲共に新築好きだと言われてきた日本人ですが、近年、都市部ではリノベーションを選択する人が増えています。私の自宅のあるマンションも築19年を経て、昨年辺りからフルリノベーションする人が急増。リノベーションをする理由はさまざまですが、エアコンや給湯器など全体的に設備の交換時期にきているからでしょう。最近は住み慣れた場所を、自分好みの空間に変えるのも良いと思うようになりました。長く住んでいるからこそ、足し引きを考えた具体策が思い浮かび、暮らしに必要なものが見えるのです。最大の懸案となる工事期間中の引っ越しのことはさておき、まずは海外の美しい住まいを目にしながら、フルリノベーションという大きな夢に向けてアイデアを練るのを楽しみたいと思います。

Elisa SUMITA, Editorial Director